
2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/12(Fri) 10:37 |
| 投稿者 |
: ひさお |
| 参照先 |
: |
2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
題詠「エスカレーター」
鑑賞「じんわり」
出題者 ウプラさん
鑑賞「じんわり」
1.視聴覚じんわり衰う現状を背負いふんばり老いに入りゆく さらら
2.じんわりと生きているなあ疾走する時代に尻肩小突かれながら たかし
3.くつくつと煮たるおでんの大根に煮だしがじんわりしみて口に満つ ひさお
4.先ずお腹(なか)じんわり温(ぬく)めと甘酒に生姜を添う寒の日の叔母 ひらら
5.寝台へ移しし母の体温を思ひ出だせりじんわり風呂に ウプラ

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/20(Sat) 13:16 |
| 投稿者 |
: ひさお |
| 参照先 |
: |
・くつくつと煮たるおでんの大根(だいこ)から煮だしがじんわり酒を追加す
たかしさん。推敲ありがとうございました。

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/20(Sat) 07:40 |
| 投稿者 |
: たかし |
| 参照先 |
: |
・寝台へ抱きし母の体温が胸骨の辺にじんわり住まふ
胸骨はいいですね。これでしっかり抱いていることを感じまする。
抱きし・・・移しし・・・
移ししに軍配が上がるような気がしまする
「住まふ」で、それからの長い時間が感じられまする、
住まふ、いいですね。

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/20(Sat) 01:27 |
| 投稿者 |
: ウプラ |
| 参照先 |
: |
たかしさんへ
寝台へ抱きし母の体温が胸骨の辺にじんわり住まふ
でいかがでしょうか。

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/19(Fri) 22:02 |
| 投稿者 |
: たかし |
| 参照先 |
: |
ウプラさん、ひさおさん、批評に対してそれぞれ改作をされた。
ウプラさんの
.寝台へ移しし母の体温を思ひ出だせりじんわり風呂に
改作は
・生きてゐる頃とはちがふ揺れかたで母とじんわり空を分け合ふ
「揺れ」という要素が入りましたが、これはどういうことを言っているのだろう。
最初の作は母を寝台へ移す、という具体的な行為・動作があって、感情移入がし易かった。
なので、改作が、初作よりもよくなったとは思えなくて、
すみません、私が余計な批評をしたのがよくなかった。最初の方がよかったのではないかと思います。
最初の作の四句迄「寝台へ移しし母の体温を思ひ出だせり」のところは捨てない方がいいように思います。
「風呂」を持ってきたけれども風呂は少なくとも自分の体温よりも熱い湯だと思うのです。
もっとぬるい温度のなにか、または自分の身体のどこか、母と接していたところなどを。
じんわりと考えて・・・
ひさおさんの歌、
・くつくつと煮たるおでんの大根に煮だしがじんわりしみて口に満つ
・改作・じんわりと煮だしのしみたる大根のあつあつ頬張り酒を追加す
「酒を追加す」と、ひとつ新たな気分が加わったのはよいと思います。
「頬張り」は私が改作で出した言葉ですが、これはよくなかったですね。
前作をほぼ生かして「酒を追加」を加えるのがいいと思いました。
・くつくつと煮たるおでんの大根(だいこ)から煮だしがじんわり酒を追加す

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/19(Fri) 20:50 |
| 投稿者 |
: ひさお |
| 参照先 |
: |
くつくつと煮たるおでんの大根に煮だしがじんわりしみて口に満つ
ご批評ありがたく頂戴しました。
たかしさんから
意外性がないので少し退屈。「煮だし」を生かして改善作考えてみた
くつくつと煮たるおでんの大根を頬張れば煮だしがじんわりと満つ
ウプラさんから
・くつくつと煮えるおでんの大根にだしがじんわり大根ぞ良き
わたしなりに改作しました
・じんわりと煮だしのしみたる大根のあつあつ頬張り酒を追加す

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/19(Fri) 17:13 |
| 投稿者 |
: ウプラ |
| 参照先 |
: |
こんにちは。
皆さん、ご批評ありがとうございました。
「寝台へ移しし母の体温を思ひ出だせりじんわり風呂に」
たかしさんのご批評を受けて、全体をそっくり変えました。
●生きてゐる頃とはちがふ揺れかたで母とじんわり空を分け合ふ
たかしさん、ありがとうございました

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/19(Fri) 01:13 |
| 投稿者 |
: ウプラ |
| 参照先 |
: |
次週のお題
「時計」でお願いいたします。

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/19(Fri) 01:09 |
| 投稿者 |
: ウプラ |
| 参照先 |
: |
上るしかなきエスカレーター地上から光の牙の冬の雨つぶ

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/18(Thu) 21:50 |
| 投稿者 |
: ウプラ |
| 参照先 |
: |
1.視聴覚じんわり衰う現状を背負いふんばり老いに入りゆく さらら
「じんわり衰」える・・この「じんわり」は少しずつ衰えてゆく実感がよく伝わる。「ふんばる」のは精神である。「視聴覚」と二つにするか、体全体を一つにするか。・じんわりと衰えてゆく現し身を背負いふんばり老いに入りゆく
2.じんわりと生きているなあ疾走する時代に尻肩小突かれながら たかし
自身のことを詠んだ。何もかもスピードを上げて進む現代にペースが合わない。遅い速度で「じんわり(考えたり感じたりしながら)生きている」。「小突かれながら」の斡旋も、巨大なシステムとひ弱な小さな一人を同時に捉えて、一歩退いた良さがある。
3.くつくつと煮たるおでんの大根に煮だしがじんわりしみて口に満つ ひさお
季節感といい、庶民性といい、おでんの大根は日本の冬に欠かせない食べ物。重複を避けて、月並みだが大根の大ファンっぽくしてみた。
・くつくつと煮えるおでんの大根にだしがじんわり大根ぞ良き
4.先ずお腹(なか)じんわり温(ぬく)めと甘酒に生姜を添う寒の日の叔母 ひらら
真冬、訪ねていった作者を叔母さんがもてなしてくれた。全体的にすっきりさせてみた。
・先ず腹をじんわり温(ぬく)めよと甘酒に生姜を添えた寒の日の叔母
5.寝台へ移しし母の体温を思ひ出だせりじんわり風呂に ウプラ

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/18(Thu) 21:07 |
| 投稿者 |
: たかし |
| 参照先 |
: |
鑑賞「じんわり」
1.視聴覚じんわり衰う現状を背負いふんばり老いに入りゆく さらら
歌意は視覚も聴覚も衰えゆくがそれを諾いながら頑張って生きてゆく・・・と。
「衰う」があれば「老いに」は要らないように思う。少し飛躍が欲しい。
〇じんわりと視覚聴覚衰えゆく百歳まであと十五年ある
2.じんわりと生きているなあ疾走する時代に尻肩小突かれながら たかし
3.くつくつと煮たるおでんの大根に煮だしがじんわりしみて口に満つ ひさお
当然のことを言葉で言っている感じ、おでんはくつくつと長く煮るものであるし、長く煮るおでんはよく味がしみているし、そのおでんを食べれば口に味が満ちる。
意外性がないので少し退屈。「煮だし」を生かして改善作考えてみた
〇くつくつと煮たるおでんの大根を頬張れば煮だしがじんわりと満つ
4.先ずお腹(なか)じんわり温(ぬく)めと甘酒に生姜を添う寒の日の叔母 ひらら
四句「生姜を添える」とした方がリズムも整うし語感も落ち着く。
5.寝台へ移しし母の体温を思ひ出だせりじんわり風呂に ウプラ
寝台へ母を移すというのはどのような状況なのかと考えた。
命(母の命)が盛んな時ではない。その火が消えようとしているか、消えてしまったか、そのような時であると思う。
ほのかに温いのである。
風呂に入っていて、作者はその時のことを思い出す。
ただ、「じんわり風呂に」ではその思いへの追走はむつかしい。

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/18(Thu) 12:56 |
| 投稿者 |
: ひさお |
| 参照先 |
: |
地下鉄のエスカレーターは長長し年末ジャンボの殿につく ひさお

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/18(Thu) 12:55 |
| 投稿者 |
: さらら |
| 参照先 |
: |
1.視聴覚じんわり衰う現状を背負いふんばり老いに入りゆく さらら
2.じんわりと生きているなあ疾走する時代に尻肩小突かれながら たかし
長い人生の回顧の歌 若いころ年上のひとから何かにつけて小突かれたが現在は思いのままにじんわり生きている平常をよろこぶ。
3.くつくつと煮たるおでんの大根に煮だしがじんわりしみて口に満つ ひさお
おでんの大根は一番お箸が進み冬の楽しみなごちそう 具体の表現が適確。
4.先ずお腹(なか)じんわり温(ぬく)めと甘酒に生姜を添う寒の日の叔母 ひらら
叔母様の優しいおもてなしに読者も暖かく幸せになる。
5.寝台へ移しし母の体温を思ひ出だせりじんわり風呂に ウプラ
避けて通れない親子の介護 介護するもの されるもののご苦労様
温かい母の体温と入浴時のお湯のじんわりした体感が切なく思い出される。

編集

Re: 2025.12.18(木)題詠「エスカレーター」・鑑賞「じんわり」
| 投稿日 |
: 2025/12/18(Thu) 12:53 |
| 投稿者 |
: ひさお |
| 参照先 |
: |
1.視聴覚じんわり衰う現状を背負いふんばり老いに入りゆく さらら
年齢による身体の衰え。視聴覚が徐々に衰えて行くことを作者は自覚している。そのことを嘆くのではなく、それをありのままに受け止めて自然体で暮らしてゆこうと考えておられる。
「衰う」で切れるのではなく「現状」にかかるようなので、「衰える」とするのがよいのではないか。(文語なら衰へる だが「背負い」となっているので現代かなづかいだろう)
2.じんわりと生きているなあ疾走する時代に尻肩小突かれながら たかし
なにごともせかせかと忙しいこの時代に、あちこち衝突しながらも、作者はじんわり生きているという。じんわりというのは「おだやかにじっくりと事が成立するさま」であるからせちがらい俗世間のことがらを超越して悟った人の生き方であろうか。
小突かれながらもじんわりと生きているというのは並大抵のことではない。
3.くつくつと煮たるおでんの大根に煮だしがじんわりしみて口に満つ ひさお
4.先ずお腹(なか)じんわり温(ぬく)めと甘酒に生姜を添う寒の日の叔母 ひらら
「温めと」:温むの命令形で温まれと命令しているのだ。
普通なら「温めんと」というように願望にするところを字余りを避けるため命令形にした可能性がある。願望にするのが妥当に思う。
5.寝台へ移しし母の体温を思ひ出だせりじんわり風呂に ウプラ
「じんわり」は風呂にかかるのではなく「思ひ出だせり」にかかるようだ。
のんびりお風呂に入って身体を温めているとき、病気だった母を寝台に移した時
の体温の温みをじんわりと思い出した。
「思ひ出だせり」は「思ひ出したり」より丁寧で複雑な感じを受ける。

編集